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Seiko Summer Jazz Camp2019が始まる! 世界的プレイヤーたちに学べるチャンスを逃すな!

Interview

Seiko Summer Jazz Camp2019が始まる! 世界的プレイヤーたちに学べるチャンスを逃すな!

Seiko Summer Jazz Camp 卒業生に聞く”傾向と対策”の伝授。聞き手はSeiko Summer Jazz Camp 事務局長の佐々智樹氏

Profile

  • 濱田省吾(はまだしょうご)

    濱田省吾(はまだしょうご)

    濱田省吾(はまだしょうご)

    1993年山口県出身。2012年国立音楽大学入学、高橋徹、神保彰に師事。浅草ジャズコンテストにてグランプリを受賞。2017年CM「夏のミスドは、大雪だ」の音楽に参加。現在は池田篤、植松孝夫、椎名豊、中島朱葉のグループに参加。明海大学ジャズ部講師。

「また来年、お目にかかりましょう!」

Seiko Summer Jazz Camp2018のクロージング・ステージで力強く服部CEOが宣言したとおり、今年もあの熱く濃い“ジャズ三昧”の季節がやってくる──。

4度目の“チャンスの扉”が開く夏を迎える前に、2018年の受講生にしてすでにプロ活動を始めているドラマーの濱田省吾さんにご登場いただき、Seiko Summer Jazz Camp2019に向けた“傾向と対策”を伝授していただこう。聞き手はSeiko Summer Jazz Camp(SSJC)事務局長の佐々智樹氏。

昨年のSeiko Summer Jazz Campで宣言する服部CEO

同じ船に乗る仲間に思いやりの心を

――濱田さんは第3回開催への応募だけど、その理由と心境を教えてください。

僕が国立音楽大学を卒業するころに、ちょうどSSJCをやるらしいよという話を耳にしていて、実はSSJCをプロデュースされる佐々智樹さんを在学中からちょっとだけ知っていたりしたので、興味はあるけどどうしようかなと迷っていたんです。

というのも、僕は引っ込み思案というほどではないけど、「来年になったら考えよう」なんて思っていた。そうしたら、2回目の募集が始まってしまって、それもなんとなく見送ったら、次が応募できる最後の年だっていうことに気がついたんです。それが僕の後押しになりました(笑)。

参加して、「自分はなにをためらっていたのか……」と悔やむぐらい、充実した数日間を過ごすことができた。つくづく、「また来年考えよう」なんて言い訳しなくてよかったなと思いましたね。

昨年のSeiko Summer Jazz Camp受講生のドラマー濱田省吾さん

――参加して感じたSSJCの具体的な魅力はなんだったのでしょうか?

SSJCの魅力は、なんといっても世界の第一線で活躍している若手のスペシャルな講師の方々がそろっていること。しかも少人数制なので彼らと密にコミュニケーションをとることができる。贅沢すぎますよね。

目の前で彼らが音を出すと、やっぱり緊張感がぜんぜん違うんです。同じ譜面の音譜を弾くのに、そこに最前線でプレイしている人ならではの存在感が伝わってくる。演奏って音を出すだけじゃなくて、その演奏者の人間性もすごく重要なんだということを、肌身でひしひしと感じることができたんです。

Seiko Summer Jazz Camp事務局長の佐々智樹さん

――SSJCのプログラムで濱田さんが刺激を受けたことを紹介していただけますか?

このキャンプの特徴のひとつが、全員がスモールアンサンブルクラスとビッグバンドに参加するという点です。

僕はピアノの大林武司さんとヨタム・シルバースタインの指導でスモールアンサンブルクラスを受講したのですが、けっこう厳しかった(笑)。「There Will Never Be Another You」をやることになっていて、あの曲のメロディーはアウフタクトのBフラットの音から始まるんですけど、その曲のメロディーがなぜアウフタクトなのか、それを知っていてやるのかどうなのか、そういうところまで突き詰めて演奏すること、つまりだいたい知っていれば曲って演奏できるものじゃなくて、隅から隅まで理解したうえで演奏しないと、リスナーはもちろん共演者にも失礼だということ。

そういう厳しさを目の当たりにすることができて、自分がやるべきことを確認できたと思っています。

昨年のSeiko Summer Jazz Campでプレイする濱田さん

――受講生の雰囲気はどうでしたか?

SSJCならではということで、初対面の受講生同士でグループやビッグバンドを組んだりして実践していくことが挙げられると思います。僕が受講した2018年も、9割は初めて会う人たちでしたね。

同じジャズを演奏するといっても、なかなか同世代の人と出逢う機会って、意外に少ないんですよ。実際に音を出し合いながら交流でき、みんなジャズへの向上心が高くとても良い雰囲気だったと思います。

――4日間の過ごし方について印象に残っていることを教えてください。

SSJCは4日間、みっちりと朝から夕方までプログラムが組まれているんですが、精神的にはもちろん肉体的にもかなりハードだったというのが僕の印象です。

というのも、講義を受けるには予習が必要だし、せっかく習ったことを自分のものにするためにも復習は欠かせなかったから。

アンサンブルのクラスでは曲決めが受講生に任されているんですけれど、演奏のようすを見た講師の先生から「こんな曲はどうかな?」と提案されたりするんです。それで絞り込んでいくんですけれど、「知ってる」ぐらいの曲をもっと掘り下げて演奏するとなったときに、「じゃあ明日の朝のリハーサルまでに各自のパートを覚えてきてね」ということになる。

僕はドラムですけれど、曲の隅から隅まで知るということはリズムだけじゃなくて、メロディーをトランスクライヴして、ハーモニーもコード・ネームに書き起こして、曲についてのエピソードをネットで検索したりと、次の日の朝までにやらなければいけないことがあるわけです。

そういう意味でも、物理的にハードな4日間だったと思います。


アンサンブル・クラスの成果を披露する5グループ各2曲の計10曲が終了すると、受講生全員がステージに上がってスペシャル・ビッグバンドによるステージへ。

――濱田さんがプロとして活躍しているなかでSSJCはどんな存在と言えるでしょうか?

僕自身、一歩を踏み出せなくて年齢制限ギリギリまで応募しなかったんですけれど、いまはホントにあのとき参加するって決めてよかったと思っています。

もう少し練習してからとか、自分に自信が持てるようになってからなんて思っていると、あっという間に時間は過ぎて、応募できなくなってしまいますからね。

クインシー・デイヴィスのクラスを受講する濱田さん

それに、アタマでは理解していたつもりですけれど、第一線で活躍しているスペシャルな講師の先生方を目の前にしてレッスンが受けられるなんて機会、世界中でもまずないですからね。こんなチャンス、のがしたらもったいないですよ。

現在、僕はライヴやレコーディングなどプロとして活動していますが、SSJCを経験してより人とのコミュニケーションを高めることができたと感じています。自分の心をオープンにする事によって、演奏でもよりコミュニケーションを密に取る事が出来るようになりました。それもこれも、講師の先生方がみんな、オープンでフレンドリーだったからというのが大きいでしょうね。やっぱり世界で活躍している人って、そこから違うんだなぁ、って。

――応募前に気になっていたことはありますか?

僕、英語がまったくしゃべれなかったんです。いまもですけれど(笑)。

それも応募を躊躇させる要因のひとつだったんですけれど、絶対に苦労するだろうなって思っていたら、ぜんぜん心配する必要がなかった。

SSJCでは日本でもプロとして活躍されている先生方が一緒に通訳として参加しているので、演奏者目線のわかりやすい翻訳で、とても助かりました。まぁ、ドラム・パートの講師だったクインシー・デイヴィスなんか、日本語も上手でしたけどね(笑)。

――最後にSSJCの先輩として「受講してみようかな」と迷っている人にアドバイスをください。

僕は音大で学んだ経験者としてSSJCに参加しましたが、音大は50歳以上のベテラン講師陣にしっかり教えてもらう場所だったという認識。

それに対してSSJCは、ニューヨークの現在進行形のジャズを演奏している近い世代の姿を目の当たりにすることができる。これこそが貴重な体験だと思うんです。

ジャズを演奏するうえで重要なもののひとつに“空気感”がありますが、それってなかなかCDやDVDじゃ吸収できるものではないんですよね。それができるのがこのSSJCであることは間違いない。

迷っているんだったら、まず応募してみたほうがいいですよ。迷っていた僕が言うんですから、本当です(笑)。

Seiko Summer Jazz Camp とは

ジャズの本場アメリカ・ニューヨークで活躍する若手実力派ミュージシャンを講師に迎えてのSeiko Summer Jazz Campは将来ジャズ・ミュージシャンを目指す日本の若者にジャズの演奏技術と理論、楽しみ方などを指導 する4日間の特別講習のことです。2016年から開催がスタートし、今年が第4回目となります。

午前10時から午後5時を予定してサックス、トランペット、トロンボーン、ピアノ、ベース、ギター、ドラム、ヴォーカルのレッスン、スモールコンボ、ビッグバンド。さらに作曲、アレンジ、ジャズの歴史などの講義を通してジャズの 基本と実践を学ぶものです。

サマー・ジャズ・キャンプへの参加費は無料ですが演奏動画によるエントリーでオーディションにより各楽器4名から5名が参加資格を得ることができます。

最終日の午後は公開でガラコンサートを行い、参加者の皆さんのキャンプの成果を演奏で披露して頂きます。
併せてセイ コー賞として最優秀賞1名、優秀賞2名、そして前田憲男特別賞1名に表彰状と副賞として時計が授与されます。

Seiko Summer Jazz Campの特徴
1. ニューヨークで活躍する若手実力派ミュージシャンが講師を務める。
2. 受講に関する費用は一切無料。
3. オーディションはテクニックより情熱を重視。
4. 英語が話せなくても大丈夫!

また今年は、最優秀賞に輝いた方1名に、副賞として2020年6月にアメリカのノースカロライナ州Brevard で行われる「Jazz Institute at Brevard Music Center」への参加権を授与します。約2週間に亘り、本格的なジャズを本場アメリカで勉強できる絶好の機会です。
※飛行機代、授業料(宿泊と食事代含む)はSeiko Summer Jazz Campが負担いたします。

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